「英単語を何度書いても覚えられない」
「聞けばわかるのに、文字になると読めない」
「教科書の音読にとても時間がかかる」
「単語のつづりを覚えることが大きな負担になっている」
「頑張っているのに、英語だけなかなか伸びない」
「英語そのものを嫌いになり始めている」
このような様子があると、
「もっと練習した方がいいのかな」
「努力が足りないのかな」
と心配になることがあるかもしれません。
もちろん、英語の習得には学習量や経験も大切です。
一方で、英語学習につまずくお子さんの中には、単に勉強量の問題ではなく、英語の音を聞き分けることや、その音と文字を結びつけることに難しさがある場合があります。
ことサポでは、このような英語学習のつまずきについて、
「なぜ難しいのか」
「どのような方法なら学びやすいのか」
を、言語聴覚士の視点から一緒に考えていきます。
こんなお子さんにご相談いただけます
たとえば、次のようなお子さんです。
- 英単語を何度書いても覚えにくい
- 覚えた単語は読めても、初めて見る単語になると読みにくい
- 英語の音読にとても時間がかかる
- 聞くことに比べて、読む・書くことが苦手
- スペルを覚えることに強い負担がある
- 日本語でも読み書きに少し苦手さがある
- 頑張っているのに英語の学習がなかなか定着しない
- 英語への苦手意識が強くなってきている
診断の有無だけで支援の必要性を決めるのではなく、実際にどのような場面で困っているのかを大切にしています。
英語指導の経験を持つ言語聴覚士が担当します
ことサポでは、英会話講師としての指導経験を持つ言語聴覚士・中井祐子先生が、英語の学習支援を担当しています。
中井先生は、英語指導の経験に加え、言語聴覚士として未就学児のことばの支援や、障害者福祉施設での支援に携わってきました。
また、読み書きに困難のある方への支援についても学んできました。
英語そのものを教えるだけではなく、
「なぜ、この子にとって英語が難しいのだろう?」
というところから、ことばや読み書きの専門職である言語聴覚士の視点を生かして考えていきます。
英語塾や英会話との違い
ことサポの英語学習支援は、一般的な英語塾や英会話を置き換えるものではありません。
英語の成績を上げることだけを目的にするのではなく、
「なぜ覚えにくいのか」
「なぜ読みにくいのか」
「どんな方法なら、この子は学びやすいのか」
を一緒に整理していきます。
必要に応じて、学校で実際に使っている教科書や教材なども参考にしながら、その子に合った学び方を考えていきます。
「何度も書いて覚える」以外の方法もあります
英語の読み書きには、さまざまな力が関係しています。
たとえば、
- 英語の音を聞き分ける
- 音とアルファベットを結びつける
- 単語を音のまとまりとして捉える
- 文字と音のルールを使って読む
- 語彙や文法を整理して理解する
- 自分に合った覚え方を見つける
といった力です。
お子さんの状態に応じて、
- 英語の音に注意を向ける
- 音とアルファベットの対応を整理する
- 単語を音のまとまりに分けて考える
- フォニックスの考え方を利用して読む
- 教科書などを使って音読や読解に取り組む
- その子に合った覚え方や学習方法を探す
などの方法を組み合わせていきます。
すべてのお子さんに同じ方法を行うのではなく、その子の得意なこと・苦手なことを見ながら支援方法を考えることを大切にしています。
たとえば「cat」は読めても、初めて見る単語が読めないとき
英単語を一つひとつ「形」として丸暗記していると、覚えた単語は読めても、初めて見る単語になると読み方が分からなくなることがあります。
たとえば cat のような単語では、
c → /k/
a → /æ/
t → /t/
というように、文字と音との間に対応関係があります。
こうした関係を少しずつ理解することで、すべての単語を丸暗記するだけではなく、自分で単語を読み解いていくための力につながっていきます。
もちろん、英語は日本語のかな文字のように「1文字=1つの音」と単純に対応している言語ではありません。
同じ文字でも、単語によって読み方が変わることがあります。
だからこそ、ルールを一方的に覚えるのではなく、その子が理解しやすい方法で、音・文字・意味を少しずつ結びつけていくことが大切になります。
「音に気づく力」と英語の読み書き
読み書きの研究では、音韻意識(phonological awareness)と呼ばれる力が重要であることが知られています。
難しい言葉ですが、簡単にいうと、ことばを意味だけではなく、
「音のまとまり」として捉える力
です。
たとえば、単語をいくつかの音に分けたり、複数の音をつなげて一つの単語として捉えたりする力が含まれます。
読み書きに困難のある子どもを対象とした研究では、音素を意識して分けたり、つなげたりする力への指導や、文字と音の対応を明示的・系統的に学ぶフォニックス指導の有用性が報告されています。
Rehfeldら(2022)は、読み障害が疑われる子どもへの音素意識指導について複数の研究をまとめ、音を分けたり、つなげたりする力などへの効果を報告しています。
また、Galuschkaら(2014)がランダム化比較試験をまとめた研究では、フォニックスを用いた指導は、読みや綴りの改善につながる介入の一つとして報告されています。
日本人が英語を学ぶ場合にも関係するのでしょうか
英語を母語とする子どもだけの話ではありません。
日本人が外国語として英語を学ぶ場合にも、英語の読み書きと音韻能力との関連が報告されています。
大谷ら(2024)は、日本人の大学生・大学院生を対象とした研究で、英語の読み書き能力と英語の音韻意識との関連を報告しています。
また、佐々木(2024)は、日本人の小学2年生17名を対象にシンセティック・フォニックスによる指導を行い、指導後に英語の音韻認識能力が向上する可能性を報告しています。
一方で、日本の子どもが外国語として英語を学ぶ場面で、どのような支援が最も有効なのかについては、まだ十分な研究が蓄積されているとはいえません。
そのため、ことサポでも、
「フォニックスをすれば、すべて解決する」
というように、一つの方法だけを勧めるのではありません。
一人ひとりの得意・苦手や困りごとを確認しながら、その子に合った学習方法を一緒に考えていきます。
「英語ができる子」にすることだけがゴールではありません
ことサポが目指しているのは、
「英語ができる子にする」ことだけではありません。
「なぜ自分には難しいんだろう」
という経験から、
「自分はこうすると学びやすい」
という方法を、お子さん自身が少しずつ見つけていくこと。
それも、とても大切なゴールだと考えています。
「努力しているのに英語だけ伸びない」
「読み書きの苦手さが英語でも目立ってきた」
「英語そのものを嫌いになりかけている」
そんなお子さんにも、言語聴覚士の専門性を生かした支援を届けていきたいと考えています。
そして英語が、単なる「苦手な教科」のままで終わるのではなく、
新しい人と出会ったり、
これまで知らなかった文化や知識に触れたり、
世界中の情報に自分でアクセスしたり、
将来の進路や仕事の選択肢を増やしたりするものへ。
一人ひとりに合った学び方を見つけることが、
文字通り、その子の「世界が広がる」きっかけになれば嬉しく思います。
参考文献
- Rehfeld DM, et al. A Meta-Analysis of Phonemic Awareness Instruction Provided to Children Suspected of Having a Reading Disability. Language, Speech, and Hearing Services in Schools. 2022;53:1177–1201.
- Galuschka K, et al. Effectiveness of Treatment Approaches for Children and Adolescents with Reading Disabilities: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. PLoS One. 2014;9.
- 大谷康太ほか.日本人学生における外国語としての英語の読み書き困難と日本語および認知能力との関連.LD研究. 2024;33:56–69.
- 佐々木里萌.日本人児童の音韻認識能力向上におけるシンセティック・フォニックス指導の効果.初等教育カリキュラム研究. 2024;12:41–49.
著者
里宇 文生
順天堂大学医学部リハビリテーション医学講座 非常勤講師
リハビリ・フューチャーズ代表
ことサポ代表
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